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2004年 08月 10日

或阿呆の一生に魅せられた或阿呆

以下の画は芥川龍之介の墓である。大量にベロナ―ルとジアールを摂取し、致死量に至ったため、惜しくも35歳で人生の幕を閉じた若き才能者である。

そう、あれは私が中学生の頃のこの暑い時期の出来事であった。読書感想文の課題に取り掛かっている時の事である。学校側からは指定図書に認定されている本の感想文を求められた。その他に、担任が国語の先生だったために、何でも良いからもう一冊読んで、その本の感想を課された事があった。
友達は、何でもいいなら昨日読んだ漫画にしようと豪く楽観的であったが、私の性格上、嫌な意味での几帳面さが現れて、もっと難い本を読まなくてはと、今思うとどうでも良かった事かもしれないが、一日中図書館内をグルグル回っていた事がある。

或阿呆の一生に魅せられた或阿呆_b0006909_5583180.jpg

墓碑は慈眼寺にあり、生垣に囲まれた中に50センチ四方の小松石には画家小穴隆一筆で「芥川龍之介墓」と陽刻され、墓石の頂きには芥川家の桐の家紋が浮き彫りされている。


しかし館内を回ったはものの、何の情報もなければ選び出す基準も決めていなかったので(というのか、自ら本を手に取り、読み始めるという作業には慣れていなかった…つまり図書館には年に4,5回行けば良いほうであるほどの本嫌いであった…)、どの本を読んでみればいいかなど到底選べる理由もなく、途方にくれて帰宅を余儀なくされた時に、一人の図書館員が私に声を掛けてくれ、一冊の本を紹介してくれた。

それが私と芥川との出会いであった。

ひとまずは多分幼心の私としては、彼の名前に興味を示したのであろう。そのように記憶している。今でも思うが、なんてかっこいい名前なんだぁ、と…。
もちろんもうひとつの課題には、芥川の「鼻」を題材にした感想文を提出し、付け加えであるが、良い評価を得た事も記憶している。
それ以降、文章不精であった私も、芥川作品だけは読みふけるという快挙に出た。すべて読んだわけではないが、世間一般的にマイナーな作品にも手を出した。

彼の作品を知っている人は大勢いるであろう。また彼の功績は、芥川賞として現在も生き続けている。最近では、金原ひとみ「蛇にピアス」、綿矢りさ「蹴りたい背中」が、マスコミを騒がせた事で印象深いだろう。もちろん時間があれば受賞作品を手に取り読んでいるが、芥川を読んでいる時の内心の緊迫感がないし、芥川作品のように本当に伝えたい言葉でしか表現しない核心に迫る文章であってほしい、贅肉をそぎ落とした芯のある文章であってほしいというのが感想である。(とは言ったものの、両作品の読書中は以外に熱中した…)

やはり私の中で、芥川の存在がどれだけ偉大であるかを実感する…。

by junyasilas | 2004-08-10 05:59 | Diary


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